ボッチ ネコ タマ

僕は お兄さんの ショウちゃんしか

知らない 捨て猫だからだ 

 

今では 動物のボランティアで 

沢山の命が 拾われている みたいだ

 

でも 僕は おかーさんの顔も

知らないし

もちろんお父さんだって

知らないんだだから 

今となっては もう どうでも

いいことなんだけど 

それで さびしくないのか?

と言われれば もちろん 

さびしいに 決まっているんだ

でも この頃 こんな 生活 にも

もう 慣れてきたみたいないんだ

 

でもお兄さんが 

レポートレポートレポートで 

忙しそうにして 

あそんで かまってくれないときだって あるんだ

 

いつものように 

おにいさんと街に出ていく

お兄さんは駅のほうにいくが

僕は ボッチ反対の

商店街のあるほうへ 歩き始める 

商店街は 半分くらいしか 

開いていない 

それでも 何件かは 

それなりにやっている 

歩いて いると おじさんや

おばさんに 声をかけられる

おはよう タマ ちゃん ネコちゃん 

ポチ君 犬じゃないけど?

それぞれ思いついた名前で 

呼んでいる で

やっぱり タマちゃんが 多い 

サザエさんの猫じゃないよ 

まあ こまかいことは 

どうでも いい そのたんびに

ニャーとあいさつは 

するように しているつもりなんだ

八百屋さんの前から 隣の金物屋さん

お茶屋さん コンビニそして 焼鳥屋さん 

お肉やさん で 

僕のお目当ての魚やさんだ

で よくおじさんが 

なんかアジの小さい奴だとか 

投げて くれたりする

それで 食べ終わってあいさつすると

おじさんが またな ボッチ猫 

といつも 言うんだヨ 

で ぼくも またねー また来るよー

このあいだ おじさんが 

ボソッと 言っていた 

お前がボッチ猫

来てから お客さん 増えたんだよ

そうなんだ 

もっと お魚大きいのちょうだい おじさん 

 

魚屋さん をとうり過ぎて

大きな交差点 にさしかかった

ちいさな 女の子だ 

ふらふらと横断歩道の前を歩いている

僕は まずい と思って

女の子の方へ走る 

そこへ 大きな ワンボックスカー が

突っ込んでいきなりの 急ブレーキ 

それで 僕と女の子の前で 止まった 

あわてておばさんが 降りてきて

女の子抱いて大丈夫? 

女の子は おおきな 口を開けて 

驚くほどの声で泣いた

おかーさんが 走り寄ってきて

すみませーん 買い物して

ちょっと目を離したすきに 

こんなことに 

車のおばさんが猫 ネコと言って

僕を指さして

なんか事情をおかあさんに 話していた 

ネコちゃん ありがとうね

と 僕のあたまを なでた

気をつけて と僕も 鳴いた

 

                              続くかも